網膜前膜(黄斑前膜、黄斑上膜)の診断と治療について
当院では、網膜前膜に対する硝子体手術を行っています。
網膜前膜とは
網膜前膜(もうまくぜんまく)とは、目の奥にある「黄斑(おうはん)」と呼ばれる、視力に最も重要な部分の上に、セロファンのような薄い膜ができてしまう病気です。この膜が収縮すると、黄斑を引っ張ってしまい、物がゆがんで見えたり、ぼやけて見えたりします。
中高年に多く見られ、加齢変化に伴う自然発症が多いですが、網膜裂孔や網膜剥離、ぶどう膜炎、眼内手術後などに続発する場合もあります。
主な症状
- 視力低下(ゆっくり進行することが多い)
- 物がゆがんで見える(変視症)
- 小さい文字が読みづらい
- 片目で見ると直線が波打って見える
症状が軽い場合は、経過観察でも支障のないこともありますが、ゆがみや視力低下が強くなる場合は手術が必要です。
網膜前膜の治療法:硝子体手術
進行した網膜前膜に対しては、硝子体手術(小切開硝子体手術)を行います。
当院では、27Gの極小切開手術を採用しており、眼への負担が少なく、術後の回復も早いのが特徴です。
手術の流れ(概要)
- 局所麻酔下のため日帰り手術となります。
- 眼内の硝子体を取り除き、黄斑に張り付いた膜(網膜前膜)を慎重に剝がします。
- 必要に応じて、黄斑上に色素染色を行い、膜を可視化して安全に除去します。
- 特別な合併症がなければ、翌日から日常生活に戻ることが可能です。