舘奈保子

院長 舘 奈保子

2021年3月まで射水市の真生会富山病院のアイセンター長を務めておりましたが、4月から富山駅前に開院しました。

車が運転できなくなって真生会には通いにくいという患者さんの声があったからです。

もとあったコンタクトレンズクリニックに手術室を併設して一般眼科診療を行っています。

コンタクトレンズは強度近視の方に恩恵をもたらします。しかし、網膜の病気や緑内障、加えてコンタクトレンズにまつわるトラブルなど、強度近視の方は多くのリスクを抱えています。真生会富山病院ではすでに病状が進んだ状態の患者さんを診療していました。その経験に基づき一生よい視力を保っていただくよう診療を行います。

最も力を入れているのは糖尿病網膜症の方の失明をなくすことです。

長期間無治療であった方や、長い治療中断期間のあった方が糖尿病の治療を開始した直後、レーザー治療を受けた後、白内障手術を受けた後など治療を行ってしばらくして見えにくくなってくることがしばしばあります。このような視力低下のかげに糖尿病黄斑浮腫がかくれています。糖尿病黄斑浮腫とは長年の糖尿病により血管の壁が傷んで網膜のうち視力を担当する黄斑部に水がたまって視力を損なう状態です。

この糖尿病黄斑浮腫の手術治療に世界に先駆けて30年前から取り組んできました。近年では薬物治療をまず行いますが、繰り返し注射が必要なこと、注射が効かない場合があることで、手術による治療が見直されてきています。

その他の網膜疾患および白内障の治療を中心に行っていきます。最新の3D顕微鏡を備え、次代を担うスタッフと経験を共有しながらよい眼科医療を発信していきます。

そして今見えるようになったと喜んでいる人も、治らない眼の病気の人も、私もいずれ滅びる肉体を持った人間です。わたしが医師を志した原点は、「必ず死ぬのに何のために生きるのか」の問いからです。これをひとりでも多くの方と分け合う拠点とすべく、このクリニックをはじめました。

舘 奈保子 (TACHI Naoko)